「仕事」と聞いたとき、どんなイメージが浮かびますか?
「楽しそう」「やりがいがありそう」
反対に、「大変そう」「つらそう」「できればまだ考えたくない」
きっと、その答えは人それぞれです。
だからこそ、「働くこと」を考える前に、まずは自分自身について話してみる。
8月8日、JOMOスクエアに60名の学生と8社の企業が集まり、「コトバとシゴト」第3回が開催されました。
参加したのは、高崎経済大学、群馬大学、共愛学園前橋国際大学など、群馬県内の大学に通う1〜3年生の学生たち。
企業の説明を聞くのではなく、学生と企業の人が同じテーブルを囲み、さまざまなテーマについて対話する一日です。
1日の中で、少しずつ深まる対話
今回の「コトバとシゴト」は、第1部と第2部に分かれて開催されました。
第1部では、学生と企業の方が同じテーブルを囲み、全9ラウンドの対話を行います。
最初から企業名を知ったうえで話すのではなく、まずは一人の「人」として、自分の経験や価値観について言葉を交わします。
夢中になったこと。
自分らしさ。
大切にしていること。
そして、少しずつ「働くこと」について考えていく。
9つの対話を終えたあと、ここで初めて参加企業の名前がオープンに!
「実は、この人はこんな会社で働いていたんだ」
それまで会社名を知らずに対話していたからこそ、企業名を知ったときには、それまでとはまた違った見え方が生まれます。
その後は、各企業から会社についての説明を聞く時間へ。
まず「人」と出会い、話をする。
その人の経験や考え方に触れる。
そして最後に、その人が働く「企業」を知る。
「会社を知る前に、人を知る」から始まる。
それが、「コトバとシゴト」の1日の流れです。
そして、第1部を終えたあとは、第2部の交流会へと続きます。

いきなり「仕事」を考えない
これまでの開催では、学生にとって「仕事」や「価値観」を考える問いが、少し難しく感じられる場面もありました。
「自分の仕事観は?」
「どんな会社で働きたい?」
いきなり聞かれても、なかなか言葉にするのは難しい。
だったら、もっと自然に話せるところから始めたらどうだろう。
実は、運営を担うインターン生の多くも、もともとは「コトバとシゴト」の参加者でした。自分たちが参加者として感じたことや、これまでの開催で見えてきたことをもとに、第3回では対話のテーマを一から見直しました。
「仕事」についていきなり考えるのではなく、まずはもっと身近なところから。
「これまでで一番夢中になったことは?」
「あなたらしさや、あなたの強みは?」
「どんなことを大切にしながら過ごしていますか?」
夢中になったこと。
自分らしさ。
大切にしていること。
そこから少しずつ、「働くこと」へと話を深めていきました。
今回の「コトバとシゴト」は全9ラウンド。
最初のラウンドでは、
「今日、このイベントで見つけたいものは何ですか?」
という問いからスタートしました。
まずは、一人ひとりが今日の対話で見つけたいものを考える。
そこからChapter1となるRound2、3、4では、自分のこれまでの経験や価値観を振り返ります。
そしてChapter2では、
「あなたは『働くこと』にどんなイメージを持っていますか?」
「仕事を選ぶとき、あなたが一番大切にしたいことは何ですか?」
「仕事とともに、どんな自分になっていきたいですか?」
と、少しずつ「仕事」の話へ近づいていきます。
最後のRound9のテーマは、
「今のあなたにとって、『仕事』とは何ですか?」
でした。
最初から「どんな仕事がしたい?」と聞くのではなく、自分の経験や価値観を振り返りながら、少しずつ「働く」を自分の言葉にしていく。
それが、今回の9ラウンドです。

「その場で答えを出さない」ためのパンフレット

今回、見直したのは対話のテーマだけではありません。
当日、学生が手にするパンフレットも、学生インターンのアイデアを取り入れて新しく制作しました。
これまでの「コトバとシゴト」では、対話の際にメモを取るための紙を用意していました。
でも、第3回の企画を考える中で、こんな意見が出ました。
「今日、その場で答えを出す必要はないからこそ、あとから振り返れるものがあったらいいんじゃないか」
そこで今回は、ただのメモ用紙ではなく、イベント後も手元に残して振り返ることができる「パンフレット」という形に。
それぞれのラウンドで感じたことや、印象に残った言葉を書き込めるようにしました。
そして、特にこだわったのが最初のページです。
そこには、参加した企業の方々のプロフィールを掲載しました。
どんな仕事を経験してきたのか。
これまでどんなキャリアを歩んできたのか。
どんな話ができるのか。
そして、仕事や人生の中で、何を大切にしているのか。
たとえば、地元就職やUターン、新卒入社、リーダー経験、女性の働き方、仕事とプライベートの両立など。
今回参加してくださったのは、さまざまな経験や価値観を持った「人」たちです。
だからこそ、企業名や仕事内容だけではなく、「この人の話を聞いてみたい」というところから、対話する相手を選んでほしい。
「自分と似た悩みを持っているかもしれない」
「この人のキャリアについて聞いてみたい」
「自分がこれから考えたいことについて、話を聞けそう」
そんなふうに、学生自身が自分に合った相手を見つけられるようにしました。
仕事についての答えをすぐに見つけるのではなく、いろんな「人」の話を聞きながら、自分の考えを少しずつ深めていく。
そのためのきっかけを、パンフレットにも込めました。
会話が進むほど、少しずつ深くなる
会場では、学生と企業の方が一つのテーブルを囲みます。
ラウンドごとに話す相手も変わります。
初対面の人と、自分の経験や考えを話す。
最初は少し緊張していても、話しているうちに、
「それ、わかります」
「自分はちょっと違うかも」
「それってどういうことですか?」
と、少しずつ会話が広がっていきます。
企業の方からも、こんな声がありました。
「対話パート中、企業側からの投げかけだけでなく、学生同士で『その考え良いですね』といった交流が自然と生まれていた」
企業と学生が一方的に話すのではなく、そこにいる一人ひとりが言葉を交わす。
誰かの考えを聞くことで、自分の考えも少しずつ見えてくる。
そんな時間が、会場のあちこちで生まれていました。
企業の方に聞いた、印象に残った一つの対話
イベント終了後、参加した企業の方が「印象に残った学生との対話」について話してくれました。
そこで教えていただいたのが、ある学生との会話です。
その学生は、もともと「仕事」に対して、あまり良いイメージを持っていなかったそうです。
大変そう。つらそう。お金を稼ぐために、仕方なくやるもの。
そんなイメージでした。
ところが、対話の中で「好きなこと」について話していると、
「僕、アルバイトが好きなんです」
という言葉が出てきました。
そこで企業の方が、
「なんでそのアルバイトが好きなの?」
と聞くと、
「お客さんとコミュニケーションを取るのが好きだから」
という答えが返ってきました。
そこで企業の方が、
「それって、仕事でもできるんじゃない?」
と伝えたところ、
「たしかに!」
という反応が返ってきたそうです。
「仕事=お金のために仕方なくやるもの」と考えていた学生が、自分の身近な経験を振り返る中で、「人とのコミュニケーション」という、自分が仕事でも大切にしたいことに気づいた。
イベント後、その学生はアンケートにこう書いていました。
「自分は企業選びに関して、『コミュニケーション』を大事にしているのだと感じた。」
この学生が最初から「コミュニケーションを大切にしたい」と考えていたわけではありません。
「アルバイトが楽しい、好き」という何気ない話から、「なぜ好きなのか」を考えた。
その先に、自分が大切にしたい価値観が見えてきた。
今回の対話で大切にしたかったのは、まさにこうした発見です。
自分らしさや仕事観は、最初からきれいな言葉で言える必要はない。
日々の経験や、好きなこと、夢中になったこと。
そんな身近なところに、自分が大切にしたいものが隠れているのかもしれません。
「まだ決めなくていい」と思えること
今回、学生から寄せられた感想には、仕事に対するイメージの変化だけではなく、「今の自分の時間を大切にしたい」という声もありました。
ある学生は、こんな感想を寄せています。
「今までは、学生時代から進む道を決めておかなければならないのではと思っていたが、今日関わった企業の皆様は案外就活はそんなに真面目にやってなかった、些細なきっかけで今があるという話をしていたため、今すぐ決めなければならない事ではないんだなと感じることができた。今興味のあることをとことん楽しんでみようと思えた。」
この言葉は、今回のイベントで生まれた変化をよく表しています。
就活イベントというと、「早く準備しなければ」「自分に合う仕事を見つけなければ」と焦ってしまうこともあります。
でも、今回の対話で企業の方から聞いたのは、必ずしも一直線なキャリアの話ばかりではありませんでした。
「こんな経験がきっかけで今の仕事をしている」
「学生の頃は、そこまで就活を意識していなかった」
そんな話を直接聞くことで、
「今すぐ答えを出さなくてもいいんだ」
と思えた学生もいました。
今、興味があることをやってみる。
夢中になれることを楽しんでみる。
いろんな人と話してみる。
そうした経験も、いつか自分の仕事を考えるときの材料になる。
「コトバとシゴト」は、学生に早く答えを出してもらうための場ではありません。
むしろ、まだ決まっていないからこそ、いろんな価値観に触れて、自分のこれからを考えてみる。
そんな時間をつくることも、このイベントの大きな役割の一つです。

最後に、最初のテーブルへ
今回、もう一つこだわったのが、最後に最初のテーブルへ戻ることでした。
最初のラウンドで、
「今日、このイベントで見つけたいものは何ですか?」
と話した相手と、最後にもう一度話します。
その間に、8つの対話がありました。
いろんな人の経験を聞き、自分の考えを話し、時には「自分とは違う」と感じる。
そうやって一日を過ごしたあとに、
「今のあなたにとって、『仕事』とは何ですか?」
と改めて考える。
最初の自分と、最後の自分。
同じ問いではなくても、きっと言葉には何か変化がある。
実際、参加した学生からは、
「以前よりも仕事や将来に対する考え方が明るくなった」
「仕事へのマイナスイメージが払拭された」
「自分が仕事において何を重視しているかが、より明確になった」
「仕事って楽しそうって思えた」
という声が寄せられました。
企業側からも、
「これから先を真剣に考えている学生にたくさん会えた」
「挑戦することや成長できる環境を望んでいる学生がたくさんいることを知った」
「人間関係や職場の雰囲気を気にかけている学生が多いことを再確認した」
という声がありました。
対話の続きを、もう少し
第一部の対話が終わったあと、第二部ではオードブル交流会を行いました。
ここでは、第一部で話した企業の方や、もっと話を聞いてみたいと思った方のところへ、学生が自由に話しに行くことができます。
第一部では時間が限られているからこそ、
「さっき話していたことをもう少し聞いてみたい」
「自分も同じことで悩んでいて」
といった会話が、交流会ではさらに続いていました。
学生から企業の方へ積極的に質問する姿も多く見られ、それぞれが気になったことを直接聞ける時間になりました。
そして、この日は前橋花火大会の開催日!🎆
交流会の最後には、JOMOスクエアの7階に上がり、参加者みんなで花火を鑑賞しました。
一日を通して、自分のことやこれからのキャリアについて考え、たくさんの人と話したあとに、最後はみんなで花火を見る。
一日を通してたくさん考えて、話して、その最後にみんなで花火を見る。
前橋花火大会の日に開催された第3回ならではの、ちょっと特別な締めくくりになりました。
答えを見つけるのではなく、問いを持ち帰る
「コトバとシゴト」で、全員が将来の仕事を決めたわけではありません。
自分に合う企業が見つかったわけでもありません。
でも、
「自分は何を大切にしたいんだろう」
「どんな人と働きたいんだろう」
「仕事を通して、どんな自分になりたいんだろう」
そんな問いを、自分の言葉で持ち帰った学生はたくさんいました。
仕事について考えることは、すぐに答えを出すことではないのかもしれません。
いろんな人の話を聞く。
自分の経験を振り返る。
やってみたいことを、今やってみる。
その中で少しずつ、「自分はこういうことを大切にしたい」とわかっていく。
60名の学生がいれば、60通りの気づきがあります。
だからこそ、「コトバとシゴト」に決まった答えはありません。
企業と学生が同じテーブルを囲み、言葉を交わす。
その中で、自分では気づかなかった自分に出会う。
そして、誰かの言葉をきっかけに、これからの選択を少しだけ前向きに考えてみる。
そんな、一人ひとりが自分のこれからについて考えるきっかけが生まれた一日になりました。
次回の「コトバとシゴト」は、2027年2月10日開催予定
今回で第3回を迎えた「コトバとシゴト」。
学生と企業が、企業名や肩書きだけではなく、一人の人として言葉を交わしながら、自分自身やこれからについて考えるこのイベント。
次回は、2027年2月10日(水)に開催予定です。
「まだ将来のことなんて決まっていない」
「就活はまだ先だけど、少しだけ気になる」
「いろんな社会人の話を聞いてみたい」
そんな人も、ぜひ参加してみてください。
次回開催の詳細はグンキャリHPや、キャリコのInstagramで随時更新していきます!
次回の「コトバとシゴト」で、またお会いしましょう!